戸谷友則教授らによる研究グループは、「高速電波バースト」と呼ばれる謎の天体現象の統計的性質を精密に調べることで、地球の地震と性質がそっくりの「余震」が起きていることを明らかにしました。高速電波バーストは超高密度物質でできた中性子星で起きていると考えられていますが、その発生メカニズムが中性子星表面の固体地殻で発生している地震(星震)に関連していることを強く示唆する結果です。以前から理論的には、中性子星で地震のような現象が起きている可能性が議論されてきましたが、これほど類似した現象が実際に確認されたのは初めてのことです。今回の結果は高速電波バーストの起源解明に大きな手がかりとなるだけでなく、余震の性質を詳しく調べることで、中性子星の内部物質の情報を引き出し、原子核物理学などの基礎物理法則についても新たな知見を得る可能性を示すものです。