恒星ジェットが生む爆発に巻き込まれた原始惑星系円盤の発見―折原龍太(特任研究員)


天文学専攻の折原龍太特任研究員を含む、茨城大学の研究者を中心とする研究チームは、若い星WSB 52の周りの原始惑星系円盤とその付近の構造をアルマ望遠鏡の公開データを用いて調査しました。その結果、一様に膨張するバブル構造、そしてそれによって原始惑星系円盤が巻き込まれて形が変わってしまっていることを発見しました。バブルの中心が円盤の軸上にあることをふまえると、バブル構造は数百年前に恒星ジェットによって恒星付近で生じたと考えられます。今回の発見は、惑星の母胎となる円盤が、従来考えられていたよりも荒々しい環境に晒されていることを示唆します。

 

この研究成果は Masataka Aizawa et al. “Discovery of Jet-Bubble-Disk Interaction: Jet Feedback on a Protoplanetary Disk via an Expanding Bubble in WSB 52”として、The Astrophysical Journalに2025年8月4日付けで掲載されました(論文掲載ページ)。

 

関連リンク:ALMA望遠鏡国立天文台