インタビュー記事(5) 遠藤いずみさん

last-update:2017/06/05

  遠藤いずみさん

天文学科 3年生(2017年3月 取材当時)

天文学科はどんな学科ですか。

 まず言えるのが、アットホームな学科だということですね。あと、同期をはじめ身の回りに優秀な人が多い、と感じます。話していてふと専門的な会話になったとき、難しいことをさらりと言うので怖いです(笑)。でも、そんな環境なのでとても勉強になります。テスト前には同期と一緒に勉強して、みんなで助け合ったり。本当に助かっています。

三年生の、天文学科での一日はどういったスケジュールですか。

 大体2限始まりだから、9時半に起きて、30分で準備をして家を出る、って感じです。授業は一日に2から4コマほどあります(1コマ105分)。夏学期は実験がありますね。実験は楽しかったけど、レポートはつらかったです。早め早めに書くことを推奨します・・・。  
 あと、年間を通して観測実習がありますね。私は、野辺山観測所での星形成領域の電波観測と、木曽観測所での恒星の分光観測、三鷹の国立天文台での小望遠鏡を用いた観測という3つの実習に参加しました。電波を使った観測ができる他にはない機会ということで、野辺山は特に印象深かったです。観測実習は、指導もとても丁寧で分かりやすく、楽しかったです。その後のデータ解析は結構大変だったけれど、研究とはどういうことなのか、を体験するいい機会でした。

楽しいこと、辛いことはなんですか。

 楽しいことは、すごくアットホームな学科だから、ことあるごとにみんなで集まって遊んでいる気がする、ってことですかね。ご飯食べに行ったり、旅行に行ったり。あとは、進学振り分け(現:進学選択)が終わって、自分のやりたい内容を勉強できているから、それは楽しいですね。やっぱり、観測実習は特に楽しかったです。
 辛いことは、さっきも言ったように、周りのレベルが高いこと。勉強も大変ではあるし。まだまだ未熟だなと思い知らされるけど、頑張らなきゃ、って思います。

どうして天文学科に入ろうと思いましたか。

 中学の時から、天文学には興味がありました。鹿児島県天文協会というところが主催しているイベントに参加して、そこの先生と親しくさせてもらったり、お小遣いを貯めて望遠鏡を買ったり、っていう感じで・・・。夏休みの自由研究に、その望遠鏡を使ってガリレオ衛星の位置の観測やろうと、毎年毎年挑戦しては曇って提出できなくて(笑)、みたいな中学生でした。そのまま高校に行って、三者面談で天文学をしたいと言ったら東大を勧められました。
 東大に入ってからは、理学部物理学科と少し迷いました。でも、物理学科だと、もしかしたら物理のほかの分野に行かなければならなくなるかもしれない、と思って。天文学科だったら何はともあれ天文学の勉強ができるだろう、と思ったので天文学科にしました。

現在進みたいと思っている研究分野を教えてください。

 まだ決定ではないけれど、装置開発の方面に進むつもりです。理論はあまり興味がないのと、数学などに強い人がするイメージがあって・・・。観測も楽しいけれど、星とか銀河に興味がないという珍しいタイプなんです(笑)。観測やるならダストかな、と思うんですけど。いろいろ調べた時に装置開発の研究室にたどり着きました。もともと手を動かして何かを作ることが好きなので、面白そうだなと思いました。
 今後、大学院には進もうと思っていますが、そこから先もアカデミアに残るかどうかはまだ全然わかりません。お金のこともあるので、今後もやっていけるという目処が立たないと・・。就職するなら、光学機器の研究開発などの仕事をしたいですね。とにかく今はやるべきことをしっかりと行っていきたいです。


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