インタビュー記事(4) 津名大地さん

last-update:2017/06/05

  津名大地さん

天文学科 学部4年生(2017年3月 取材当時)

天文学科はどんな学科ですか。

 まず言えるのが、アットホームだということですね。人数が少ないということは天文学科の強みです。あとは、カリキュラムとしても融通が利くので、自分のやりたいことをやりやすい、というのがあると思います。
例えば、僕は天文学科に入ってから、アメリカのスタンフォード大学に二度留学しました。三年生の夏にサマースクールに参加して、四年生の夏には研究のため留学しました。二回目のときは、理学部のSVAPという奨学金制度を利用しました。
※1 SVAP:https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/offices/ilo/svap/application.html
一つ言えることが、この学科だから留学ができた、ということかな、と。融通が利かなかったらけっこうきつかったと思います。

四年生の、天文学科での一日はどういったスケジュールですか。

 前半(Sセメスター)は10コマくらい授業があって、研究室のゼミもあり、結構忙しかったです。他の研究室のゼミにも参加して、教科書や論文を読んだりしていました。また、同期で週に一回集まって、院試に向けた勉強をしていました。院試の直前の頃、僕は留学をしていたので結構大変でした(笑)。
 夏休み以降(Aセメスター)は週1,2コマの授業がありました。卒業研究もそのころから本格的に始まりました。僕は京都大学の川中先生と研究をしていたので、メールで連絡を取り合っていました。理論の研究なので、コンピューターをつかって家でもできるのがいいところですね。大学には講義を受けに来るくらいでした。もちろん、大学で研究している学生もいますよ。

天文学科での生活で楽しいこと、辛いことはなんですか。

 やっぱり、自由に活動できるのが楽しいです。人数が少ないから同期で仲良くなりやすいし。僕は週に一回、塾でバイトをしていますが、そんなに大変ではないですね。結構バイト漬けの人もいるし。そういう両立もしやすいのかなと思います。
 一番大変だったのは3年の夏ですかね。観測実習、実験、演習などなどけっこう忙しかったです。まあ、それはきっとほかの学科も同じことだと思いますが・・・。あとは、各研究室に一人しか入れないので、僕の学年は研究室選びの時にけっこうかぶりがあって、それが大変ではありましたね。最終的にはじゃんけんや話し合いで決めましたが、結果としては皆、入った研究室への後悔はしていないと思います。

どうして天文学科に入ろうと思いましたか。

 僕は高校の頃、本当に物理が苦手で、化学や数学が得意だったので化学科に進もうかと考えていました。けれど周りの人の話を聞いているうちに悩み始めて、そんな時に、駒場の「宇宙科学Ⅰ」の授業をとりました。包括的に天文学について学ぶことができる授業で、興味を持ちました。他にも、相対論や、天文学に関する集中講義も履修しました。あとはやっぱり、天文学科の雰囲気が良さそうだったから、というのもあります。
 理論に進んだのは、数式をいじるのが面白かったから、ですかね。「シリーズ現代の天文学」の本などを読んでいくうちに、理論に進みたい気持ちが芽生えました。相変わらず物理は苦手ではあったんですけど、好きではあったので。

現在進みたいと思っている研究分野を教えてください。

 春からは物理学教室の重力波の研究室に進みます。「宇宙ひも」というものの理論を、LIGOという重力波干渉計を用いて観測的に検証する研究です。そのために、LIGOの人と会ったり、電話会議に参加したりしています。他には、ガンマ線バーストや、ニュートリノにも興味があります。ニュートリノと重力波には結構共通するところがあって、それらは電磁波と違ってあまり相互作用しないんです。その性質によって、ガンマ線バーストの中で何が起こっているか、ということを、ニュートリノや重力波から見ることができるかも、という研究があって。そういった感じで、重力波も、天文学の手段として使えるといいなと思っています。やっぱり、せっかく天文学科で学んだので、天文学的な対象について、Astrophysicsの研究をしたいです。将来的に、海外に行きたいという気持ちもありますが、東大での研究でも満足はできるだろうとは思っています。例えば、LIGOのデータを使う研究なら東大であったほうがやりやすかったりするので。

最後になにかメッセージがあれば。

 天文学はいろんな分野と融合できる学問だと思います。たとえばAstrobiology(宇宙生物学)、Astrophysics(宇宙物理学)、 Astrochemistry(宇宙化学)などですね。そうやって幅広く構えている分野なので、どこかに必ず自分の強みを生かせる場所があると思います。


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