理学部天文学科への進学後にどんな学生生活を送るか、一例として最近のある学年の生活を紹介します。
夏休み中に終わる進学選択で天文学科への内定が決まると、理学部天文学科進学予定の教養学部生として、2年の冬学期が始まります。
この学期は、理学部物理学科の開講する量子力学や電磁気学など基礎的な物理を必修科目として学びます。天文学を深く理解するためにはこれら基礎的な物理や科学的な考え方をしっかり身につける必要があります。
選択科目として理学部の授業や、天文学科の開講する「天文地学概論」の授業もあります。講義や演習は駒場キャンパスで行われます(平成28年度現在)
また、週に1日全休の日があり、その日などに教養学部の授業を取ることもできます。
カリキュラム (学部)
ついに本郷での授業が始まります。
3年生の間は基本的に、午前中に物理学科開講の基礎的な物理学の授業を受け、午後に天文学科独自の授業を受けました。
銀河天文学や天体観測学といった座学の授業は、天文学の専門的な内容に初めて触れることのできる授業でこの段階では少し難しく感じるところもありますが、これから天文学を深く学んでいくために重要な力のつく科目です。
天文学科3年生のカリキュラムには「基礎天文学観測」という、天文学観測の基礎的技術を実験実習できる科目があります。
夏休みの間(一部は学期中)に国内各地にある観測所に行き、実際の研究で活躍している天体観測望遠鏡を自らの手で操作して、データを取り、解析をします。
観測には、天文学科の先生方やTAの先輩が同行し、望遠鏡の使い方からデータ解析の手法、さらにそこから導かれるサイエンスまで丁寧に解説してもらえます。
天文学の観測に学部生のうちから触れるチャンスが何度もあることは、東大・天文学科の大きな特長です。
天文学科の講義や実習の合間にも、いろいろなことをアクティブに続ける仲間が多くいます。授業は2限から始まる日が多く、早起きをして朝に課外活動を行うことも可能です。授業後もキャンパス内の御殿下ジムへ運動をしに行ったり、バイトやサークルとも両立が十分可能です。
また、空いているコマに自分たちで自主的にゼミを組み、天文学について互いに学びあうこともしています。
天文学科では自らが主体的にキャンパスライフを設計していくことができます。
天文学科4年生では、1年間かけて課題研究を行います。
各学生が天文学科の先生1人(場合によっては二人)につき、自分が興味を持ったテーマに対して指導を受けながら研究を進めます。
多くの生徒にとって初めての天文学の研究となり、手探りで研究のノウハウやメソッドを学んでいきます。
本郷キャンパスに加えて、三鷹にある天文学教育センターで研究をする生徒も半分ほどいます。
4年生の夏休みには大学院入試があります。
天文学科の多くの学生は大学院に進み、天文学の研究を続けます。
(卒業生・修了生の進路)
天文学科の大学院は、本郷だけでなく東大以外の機関も含めた複数のキャンパスに研究室があります。
内部生でもエレベーター式で上がれるということはなく、自らが希望する研究室に希望を出し、大学院入試を受験します。
4年生の夏休みは課題研究を進めながら、大学院入試への勉強をしていくことになります。
院に進む多くの生徒が理学系研究科天文学専攻に進みますが、他学科や他大学(海外含む)に移る生徒もいます。
1年間かけて研究した成果を2月の課題研究発表会で発表します。
研究の成果が非常によく出た生徒の中には、後ほど論文にまとめ上げる人もいます。
(課題研究発表会)
この発表にて天文学科の学部生としての生活はおしまいとなります。
(もちろん卒業に必要な単位を揃えることが求められますが、2年間まじめに授業や実習をこなしていれば、それほど苦労することは無いでしょう。)
この後は、研究への道など、各々が自分の道を歩んでいきます。