天文学を専攻するにはまず宇宙に対する強い興味を培って欲しい。天文学を学び研究するには数学および物理学をしっかりマスターしておく必要がある。
天文学の研究者の養成過程では理論と観測の区別はあまり明瞭ではない。比重の差こそあれ両方を学習しながらどちらかに重点を置くようになるのが普通である。理論に重点をおく研究者も観測・実験の結果が何を意味しているかを的確に理解する必要があり、また新たな観測・実験計画を提案することもできるように、観測実験の基礎をしっかり身につけておくことが望ましい。一方、観測・実験に重点を置く研究者もその結果を適切に解釈するための数学的統計的素地が必須であり、理論的モデルの背景を理解しなければ観測計画が立てられないということも多い。
天文学を学び理解するためには、広い範囲の科学の理解が必要となる。特に基礎的な物理学の理解が必須である。専門課程の教育は、自然科学系の重要な科目の講義の履修・理解を前提として行われる。前期課程では、基礎科目の理科各類の必修科目のほか、総合科目においては以下に示すような科目の履修を推奨する。数学・物理に関連する自然科学系科目の基礎的な知識がないと、たとえ希望した天文学科に進学できても、専門課程の講義が十分に理解できなくなる恐れがある。さらに自然科学系ではないが、必修科目である外国語(特に英語)は極めて重要な科目であることも指摘しておきたい。
(以上の基礎科目は、文科から天文学科へ進学する場合の要求科目でもある。)
(以上の総合科目は、天文学科へ進学する場合の要望科目でもある。)
(平成29年度「履修の手引き」より)